アメリカの雇用システムは、工場労働型(ブルーカラー)とサラリー型(ホワイトカラー)の二つのタイプの内部労働市場だけではない。もちろんその周囲には外部労働市場の領域が広がるのであるが、それとは異なる専門職の雇用システムがあり、それが実は「職業別労働市場」型の雇用システムとして制度化されている。その典型がウォール街のアナリストやトレーダー、あるいはシリコンバレーのエンジニアやコンサルタントの職業であれば、そこに観察されるのが、流動型の雇用システムだといってもよい。
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あるいはそこに登場する個人をして、雇用の安定よりも転職の自由を追求する「自立」した個人であるといってもよい。しかし、もしこのことだけがアメリカの雇用システムとして紹介されるのであれば、それは間違っている。それは二重あるいは三重の意味で間違っているのであり、すなわちアメリカにおいてもその基本は内部労働市場型の雇用システムであるという意味で、そして転職の自由や自立した個人といった言葉で語られる流動型の雇用システムは、職業別労働市場として特別に制度化されたものだという意味で、そしてそれは外部労働市場の意味での流動化とは異なるという意味で、間違っている。